ポストコングレス

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日時

2025年8月23日(土)13:30~16:30

テーマ

人権から見つめなおすこれからの保育
~こどもとこどもを取り巻くすべての人のために~

企画

相模女子大学学芸学部子ども教育学科
日本赤ちゃん学会保育実践科学部会

オーガナイザー

齋藤正典(相模女子大学)
旦直子(帝京科学大学)
楢﨑雅(社会福祉法人摩耶福祉会幼保連携型認定こども園るんびにこどもえん)
麦谷綾子(日本女子大学)

司会者

齋藤正典(相模女子大学)

企画趣旨

"不適切な保育”に関する報道や"こども基本法”の施行により、改めてこどもの人権が注目されてきている。そのような中でこども家庭庁は、「保育政策の新たな方向性」を発表し、これまでの「保育の量的拡大」から「質の高い保育の確保・充実」へと保育政策を大きく転換することを示している。「質の高い保育の確保・充実」において、乳幼児の人権の尊重は必須であるが、その実現のためには保育者をはじめとするこどもに関わるすべての人の人権もまた尊重される必要がある。一方で、保育現場においては、職場環境や待遇、制度的・行政的支援の不十分さといった人権上の様々な課題が顕在化してきている。そこで、本ポストコングレスでは、登壇者の講演・実践報告および参加者の議論を通じて、保育現場における乳幼児や保育者の人権に関する現状と課題について具体的に考えていきながら、人権という視点から「質の高い保育」とはどのような保育であるのかについて改めて探っていきたい。また、赤ちゃん(乳児)の人権については、その定義や適用範囲なども曖昧であることから、赤ちゃん(乳児)の人権を尊重する保育についても議論していきたいと考える。

講演者

木元有香(木元有香法律事務所 代表弁護士/保育教諭)

講演タイトル

保育現場における子ども及び保育者の人権

講演概要

「不適切な保育」の問題を受けて、子どもの人権についての意識が高まっている。こども家庭庁が策定した「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」(令和5年5月)では、「不適切な保育」とは「虐待等と疑われる事案」と定義された。もっとも、保育現場では、「不適切な保育」とは保育士会チェックリストの「『良くない』と考えられるかかわり」の5つのカテゴリーと同じものであると捉え、日々の保育実践の中で「不適切な保育」に該当しないかと過度に心配したり委縮したりする姿が見られる。保育現場では「子どもの最善の利益」が追求されるが、それが保育者の権利の犠牲のもとに成り立ってはならない。軽視されがちな保育者の人権に注目し、保育者の人権の尊重が子どもたちのより良い保育、子どもの人権擁護につながるということを改めて確認したい。

講演者

伊藤幸子(文京区立お茶の水女子大学こども園 保育教諭)

講演タイトル

子どもの人権を尊重する保育の実践

講演概要

子どもたちと一緒に暮らしていると、たくさんの「問い」が生まれてくる。子どもたちが何かを始めたのは、どのようなきっかけだったのか?子どもたちが実現したいと願っていることは何なのか?子どもたちがおもしろいな、不思議だな、困ったなと感じていることは何なのか? その問いと向き合うことで、見えなかったものが見えてくることがある。
本発表では、「子ども一人ひとりを大切にする」ことを中心に捉えた実践を通して質の高い保育とはどういうことなのかを考えていく。
また、保育者個人の意識変化ではなく、園全体として人権尊重の視点を深めていくことが保育を見つめなおすきっかけにつながると考えられる。これらの取り組みを通して見えてきた課題や工夫について共有し、保育の質と子どもや保育者の人権保障の関係性についても共に考えていきたい。

講演者

若月芳浩(玉川大学 教授)

講演タイトル

共に生きる保育 ―人権尊重の視点から考えるこれからの保育とはー

講演概要

園長としてかかわっている四季の森幼稚園には、障がいのある子どもが90名中15名程度在籍している。近年増加の傾向があり、園ではインクルーシブな保育を目指して日々格闘している。しかし、彼らには独特な特性はあるものの、日々の遊びの中で育つ部分が多くあり、他の子どもとのかかわりを通じて人間関係を育む姿を見る事が出来る。年間に数名の子どもが他園から転園し、その理由は様々ではあるが、状況を伺うと人権を尊重する事が出来ない保育の中で疲弊し、エクスクルージョン的な状況に追い込まれ、退園するしか道が残っていないような姿がある。このような園の現実は許容すべきことではなく、考え直すことが必要である。そのような園がある事には大きな疑問と問題がある。
本園では、多様性を受け入れるインクルーシブなマインドの醸成と、保育の中で障がいを当たり前に受け入れる事が可能な保育を大切にしている。その道のりは容易ではなかったが、研究と実践の往還によって、実現する事が可能となった。その背景には常に人権尊重の視点を有する保育者の姿がある。当日はこの点について具体的な取り組みをお伝えすると共に、皆様と共有できれば幸いである。

話題提供者

麦谷綾子(日本女子大学 教授)

講演タイトル

不適切な関わりとその要因についての保育実践者調査報告

講演概要

不適切な関わりが起こりやすい場面や内容、要因に関する保育実践者自身の意識、受け止めについて、現在行っている量的、質的調査の結果を報告する。

※本調査は2025年7月末まで下記のURLで実施中です。保育実践者の方はぜひご協力をお願いいたします。

https://forms.gle/rf55d6M5HSyXiGDJ6

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